森林浴エッセイ

滋賀の山、背比べ

滋賀県の最高峰は、言わずと知れた伊吹山です。
標高1377メートル。 高さこそ中部山岳地帯の山々に比べれば、その半分にも及びませんが、知名度や歴史的背景においては決して引けをとらない名峰です。
近江平野や東海道本線・名神高速道路の車窓から眺める雄姿は格別で、古く、記紀(古事記・日本書紀)にも記述があります。 山頂に日本武尊(やまとたけるのみこと)の石像があるのは、記紀のなかに記された神話のゆかりです。
伊吹山は多くの植物に恵まれ、九合目から山頂付近一帯にかけては見事なお花畑が見られます。 イブキトラノオ、イブキフウロ、イブキシモツケと数え上げていくと、頭に「イブキ」と名のつくものがざっと30種、ルリトラノオなどの固有種も何種かあります。 また、意外なデータでは、降り始めから終わりまでの積雪量、確か10メートルを越すという世界記録をこの山が持っています。

このように伊吹山は大変有名ですが、滋賀県で二番目の高峰は意外と知られていません。
ちょうど日本で一番高い山はみんな知っていても、二番目が南アルプスの北岳だということがあまり知られていないのとよく似ています。

1317メートルの金糞岳(かなくそだけ)。 変わった名前ですが、『コンサイス日本山名辞典』によりますと、「鉱石を溶錬する際に生じる滓(かす)からきたもの」とあります。 加藤文太郎もも登りにきたことのあるこの山は、現在は林道が延びて、また登山ブームも相まって登山者が増えてきているようですが、近江・美濃国境の奥深い山です。

さて、三番目、四番目と順に数え上げていってもいいのですが、鈴鹿山系と比良山系の最高峰はどこでしょう。 鈴鹿の方は、1243メートルの御池岳(おいけだけ)。鈴鹿最北の霊仙山と同様、頂上付近一帯カルスト地形を形成している静かな山です。 御池岳の標高は、正確にいうなら1241メートル。 ただしピークが数峰あって、そのうちの最高点(丸山)が1243メートルです。 鈴鹿山系では、次に1238メートルの雨乞岳、1212メートルの御在所岳と続きます。
それでは、比良山系の方はというと、武奈ヶ岳が1214メートルで最も高く、次にコヤマノ岳(1181メートル)、蓬莱山(1174メートル)と続きます。滋賀県の山で1300メートル以上の標高を持つのは、伊吹山と金糞岳の二座だけです。1200メートルの標高があれば高さでは十指に入ります。
最後に、よく聞く山の標高をいくつか挙げておきましょう。
■比叡山848メートル
■太神山(湖南アルプス)600メートル
■函館山547メートル
■三上山(近江富士)428メートル
■ 賤ヶ岳422メートル。

▲PageTOP

-